VIPは運転しない

Gsanは自動車の運転免許を持っていない。
生まれてこの方、一度もハンドルを握ったことがないらしい。
出身地は「ど」のつく田舎だし、家を出てからは街暮らしだし、必要なかったのだろう。

そのGsanも郊外にマイホームを建ててから状況が変わった。
通勤はJRを利用していたが、地方の電車は本数が少なく終電は早い。
自宅はJR駅よりバス停の方が近かったが職場へは不便だった。
それでついに自動車を持つことにした。

ただし運転するのは自分ではない。
今は亡き義母が自動車教習所に通ったのは40歳を過ぎてからだった。
そういう世代が初めて免許を取るのが珍しくない時代ではあった。

実はわたしの母も39歳で免許を取った。
それで通勤エリアが広がり転職したのだ。

母は自分の為に免許を取ったが、義母は家族のために免許を取った。
もちろん自分の行動範囲も広がったけれども、第一目的はGsanの送迎だから、いつ呼び出されてもいいように待機しておかねばならない。

Gsanは時間が不規則なのだ。
職場まで迎えに行くと、時間帯により30分~1時間かかる。
その間にもGsanは仕事をするから、迎えに行った先でまた仕事のキリがつくまで待たされたりする。

そんな不便なのになぜ、Gsanは自分で免許を取らなかったのか。
別に体に不自由があるわけでもなく。

それは伯父の(Gsanの兄)勧めだって。

曰く、Gsanはものを考えるのが仕事だから運転中もいろいろ考えるだろう。
それは事故のもとだから、運転はY子(義母)がしなさいと。
それでGsanは免許を取ることをあきらめた。

だから義母が亡くなるとGsanの足がなくなってしまった。
成人していた息子たちは故郷を離れていたし、義妹はまだ高校生だったし。

義母の葬儀が終ったある日、Gsanは免許を取りに行くと宣言した。
高齢ではあったけどまだ現役だったし、もっと年寄りで教習所に通っていた人を知っている。

でもまぁ“言うだけ大将”で、結局そのままになった。

通勤には公共の交通機関を使っていた。
終電がなくなれば不便でもバスを使う。
すると駅に自転車置きっぱなしだから、翌朝は徒歩で駅まで行く。

やればできるじゃん。

今もGsanの足は自転車らしい。

最近は歩くには杖を使うし、膝が痛いといって長距離は歩かないけど、自転車で数キロ離れた図書館へ行ってるんだって。
もともと健脚な人だもんな。
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カテゴリ: Gさんのはなし

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